よろよろ向かってくる僕に、作業していた獣人が気付いて肩を貸してくれる。
「おお、帰ってきたな。お疲れさん。そこで仰向けに寝てくれ。」
その場に仰向けに寝ると、台車の所から、ホースを取り出し、
僕の前の穴に差込み、スイッチを入れる・・・
吸い出すと共に、だんだん楽になっていった。
スイッチを止めて今度はうつ伏せになるように言われた。
「それじゃあ、いくぞ・・・」
吸い取り作業が終わると、すっかり楽になった。
ひとつ終わるごとに少し休憩を挟んで、また次に行くらしい。
終わる時間は、相手によってまちまちという事だ。
一息ついてると、獣人が僕に話しかけてきた。
「君は、こういう事は初めてだったかな?」
「いえ・・・何度か、ありました。」
これを口実に、僕は言ってみた。
「天暫さん・・・って言いましたよね。常連なんですか?」
「結構利用していたなぁ。必ず上位に入って、なにかしら持って帰っていたし・・・最近は来てないみたいだけど。」
天暫先輩は常連らしいけど、他の先輩や、紅竜とかどうなんだろうか・・・
「しかし、あの体格もったいないなぁ。どこで何しているのかな。」
「ここの選手は、ずっとここにいるんですか?」
思いきって聞いてみた。
「いや・・・まとまった時期に、ここで本格的な訓練をするんだよ。そろそろ一般選手も入れて、トーナメントも始まるし、同時に個人戦やるよ。・・・どうだい出てみないかい?」
「・・・即答は出来ませんけど・・・考えさせて下さい。」
試合か・・・実践はまだないけど、先輩方が色々やってくれてるし・・・
やる気になったら、天暫先輩に相談してみよう。
休憩をおえると、重い腰を上げ扉に向かって行く・・・
以後、4回この繰り返し
やっと終わった・・・
最後の5人目の扉をあけて、
吸い取りの作業を行いに台車へ向かう。
しかし、選手達はずいぶん溜めていたんだなぁ・・・
大量の水を飲んだように、お腹がゆるくガポガポ音が鳴る。
台車の前に行き吸い取り作業が終わると、タオルを手渡された。
「これで終わりだな。お疲れさん。しばらく休んだら、また窓口の部屋に行からな。」
汗だく、汁だくになった体を拭いて、窓口の部屋に移動した。
時間が気になった・・・しかし、通路およびあそこには時計が無かった。
何時間たったのだろうか・・・
部屋に戻り、預けた服に着替えて時計の時間を見ると・・・
朝9時に来て・・・今は14時?
これぐらいなら、休みの日でも夜からなら大丈夫かな。
「それじゃあ、今回のバイト料ね。あと、次回も来れるように・・・これね。なくさないようにしてくれ。」
封筒と一緒にカードを受け取った。
「天暫さんに会ったら、よろしく言っておいてくれよな・・・お疲れ様。」
帰り途中で、色々考えた。
試合に参加しようか・・・そもそも、この場所はあまり人気が無いけど、封鎖されないのか・・・など。
天暫先輩などが、本気で戦う姿が見たくなった。
天暫先輩以外は、この場所を知っているのかな・・・?
帰るときにポスターを一枚剥いできて、見せてみよう。
しかし、お尻がズキズキ痛む。
まあ、しょうがないか・・・
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